目は口ほどにものをいう
司side

ゆかりがプロポーズを受けてくれたことにほっとする。
こんなに緊張するとは思わなかった……。

いずれは。
お互いそう思っているのはわかってた。
でも、まだ早いと思ってた。ちゃんと気持ちが通じてから半年もたっていない。
ゆかりがどう思うのかが不安で仕方なかった……

本音を言えば。
俺がこれ以上待てなかった。

ゆかりが待っている家に帰ることの嬉しさを知ってしまったから。
これ以上、ゆかりを家に帰したくなかったから。

ゆかりと朝を迎えたことは1度もない。
泊めてもいいんだろうなとは思ってたし、ゆかりも一緒にいたいと思っているのが伝わってきてた。

でも、なし崩しにはしたくなくて。ちゃんとけじめをつけたかった。


「ゆかり。今日、帰したくないんだけど。いい?」
ゆかりが目を見開いた後、
「はいっ!!」
うれしそうに微笑んだ。

かわいい。愛しい。
そんな言葉では足りないほどに。

ゆかり 愛してる
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