目は口ほどにものをいう

「まほ。飲みすぎだ。それくらいにしとけっ!!」
「まほさん、お水持ってきますね。」
「ゆかり、頼む。」

新婚の2人は幸せそうで、見てて羨ましい。
長い間、想い合ってたのに、お互い全然気づかなくて、見てるこっちはじれったかった。


付き合う前からゆかりちゃんは司のことを、よく見てた。

司の目配せだけでだいたいのことを悟る……
司が目配せしたとたん、時計を見て来客準備を始めたり、なんの資料かも言ってないのに、司の探してる資料を渡したり……
まるで夫婦のようだった。

「ゆかりちゃん、なんで、わかるの?」
「だって、あの人しっかり目で要件伝えてくるじゃないですか。」

………それわかるのゆかりちゃんだけだと思う。

『感情がわからなくて苦手。』そう言って、司の前でびくびくしているけれど……彼女が司を特別に思っているのは明らかだった。
司も。
ゆかりちゃんの話をしただけで、あんなに照れて愛しそうな顔をするなんて……呆れる。。。
実際のところ、課のほとんどが司の気持ちに気づいてるし、誰も声に出して言わないけれど、司の恋を応援しよう的な雰囲気があった。気づいてないのは本人たちばかりなり。
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