目は口ほどにものをいう
課長の言葉に、両親たちは喜んで、そそくさと2人きりにしてくれた。
「課長、なんで断らなかったんですか。」
「お前こそ。」
「相手のことちゃんと聞いてなかったんです。」
私の言葉に課長が睨む。
「それは…相手が俺だと知っていたら、この話は受けなかったと。」
「っっ滅相もないですっ!!」
イヤ、受けなかったけれども。
そんなことを言おうものなら……コロサレル。
「まぁ、いいや。親も盛り上がってるし、とりあえず付き合うことにするから。」
はいいい?!
正気ですか?!
「いっ、嫌です!!」
「ほう、俺に不満があると。」
怖いよう。なんで、どうして?!
というか、
誰ですかこれは?!
人当たりがよくて、優しくて、
でも感情が読めない人だったはずなのに!!
目の前にいる課長は、
強引で私の話なんか聞いてなくて、
不機嫌を隠そうともしていない。
私は混乱するばかりだった。