勇気のカケラ -いじめに負けないで-
青柳中学校の卓球部は、部員数がとても多い。
人数は男女合わせて60人弱。その中で女子部員は20数人、1年生の女子部員は私を含めて12人とのことだった。
人数が多いため、1年生の部員は男女双方、体育館の外で練習をすることが主だという。
卓球台の数やスペースにも限りがあるため、体育館の中で練習できるのは基本2、3年生だ。
そこまでは平井先生の話でも聞いていたので何となく分かっていた。私は相槌を打ちながら聞く。
問題は、ここからだ。
「じゃあ次は、練習メニューについてね〜」
菜美はちょっと長くなるけど、と前置きをすると説明を始めた。
まず、1年生は体操服に着替えて始まりのミーティングを終えるとすぐに外に移動。
体育館の横から校門まで続く一直線の道を、5往復ランニングする。
道は片道約200メートルあるから、1往復で400メートル。それが5往復で約2キロメートルのランニングをすることになる。
ランニングが終わったら素振りをフォアーとバック(ラケットの表面と裏面)を共に100回ずつ。
その後はラケットとピンポン球を使っての球上げを、それもフォアーとバック、またフォアーとバックの混合を各100回ずつ行う。
それが終わると自主練習で、各自で素振りをしたり球上げや壁打ちをしたりするという。
ちなみに今は自主練習の時間らしいけど。
「……ぶっちゃけ、私達がちゃんとするのは球上げまでだね。最初の頃は、平井先生も体育館の外に出て様子を見に来てたけど、最近は2、3年生の練習につきっきりで滅多に見に来ないからさ。
自主練になると、皆けっこう自由にやってる訳」