颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
桐生颯悟の右手が私の二の腕に触れた。手首をつかむと背中からおろした。
その手を恋人つなぎにして私の耳元で押さえ込む。指のあいだがこそばゆい。狡い。なんか、狡い。その間も小鳥のようなついばむキスを、湿った舌をはわせるキスを交互にする。桐生颯悟はそんな緩急をつけたキスを繰り返した。
もう、私の体は腑抜けだ。動けない。
しばらくして桐生颯悟は唇をはずした。私とは目も合わせずにベッドを降りてドアに向かう。
「……おやすみ」
パタン。ドアは閉まった。
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