颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
ひょっとして、昨夜のキスは練習台ってとこ? 早百合さんとする前に私を踏み台にしてやっておく。
それなら辻褄が合う。
ああ、いたたまれない。
身代わりのキスに身悶えていたなんて。
*―*―*
定時に上がってはむはむカフェに向かうと、私を出迎えてくれたのは陽気なラテン系アメリカ人だった。若い男性。
白いシャツに黒のパンツ、焦げ茶のエプロン。はむはむカフェのスタッフユニフォームだ。
「ええっと、これは」
「彼はジャレッドさん。アメリカからの留学生。うちでアルバイトしてるの」
「ハジメマシテ、アイム、ジャレッド! ミノーリ、ヨロシっク~!」
「じゃあみのりさんも着替えて。え? 桐生さんなにも言ってないの? みのりさんもカウンターに入って一緒にバイトしてもらうことになってるんだけど」
ええ、ええ。聞いてませんけど。
そんなわけで私は陽気なジャレッドさんとカフェの仕事をした。飲み物を作る補佐をし、洗い物を片付け、合間にジャレッドさんと世間話。彼は日本建築に興味があり、工学系の大学に通っている。私の出身が仙台と知るとあそこの建物はキレイだとか、あっちの建物は奥が深い、とか英語で語ってくれた。
それなら辻褄が合う。
ああ、いたたまれない。
身代わりのキスに身悶えていたなんて。
*―*―*
定時に上がってはむはむカフェに向かうと、私を出迎えてくれたのは陽気なラテン系アメリカ人だった。若い男性。
白いシャツに黒のパンツ、焦げ茶のエプロン。はむはむカフェのスタッフユニフォームだ。
「ええっと、これは」
「彼はジャレッドさん。アメリカからの留学生。うちでアルバイトしてるの」
「ハジメマシテ、アイム、ジャレッド! ミノーリ、ヨロシっク~!」
「じゃあみのりさんも着替えて。え? 桐生さんなにも言ってないの? みのりさんもカウンターに入って一緒にバイトしてもらうことになってるんだけど」
ええ、ええ。聞いてませんけど。
そんなわけで私は陽気なジャレッドさんとカフェの仕事をした。飲み物を作る補佐をし、洗い物を片付け、合間にジャレッドさんと世間話。彼は日本建築に興味があり、工学系の大学に通っている。私の出身が仙台と知るとあそこの建物はキレイだとか、あっちの建物は奥が深い、とか英語で語ってくれた。