颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
なんて、会話をしつつ、話はこの前の続きになった。
*―*―*
夏休みに深い関係になったユウキくんと早百合さんだったが、二学期が始まって制服にもどったユウキくんとは関係もまた、清いものにもどった。お互い、あのことには触れず、カフェや本屋さんでデートを重ね、最後にキスをして別れる。なんてことを続けていた。
早百合さんはこのままでいいと思った。ホテル王の御曹司と結ばれるはずはないし、いずれは別れなくてはいけない。なら早い方がお互いの傷も浅くてすむから。
ところが問屋はそうは卸さなかった。
冬休みが来たのである。
クリスマスの日、ふたりはデートした。いつもより口数の少ないユウキくんは、
『今夜僕、友だちの家でパーティーをすることになってるんです……泊まりで』
とのたまった。
つまりは親に嘘をついて外泊する、ということだった。早百合さんは迷った。
結局は誘惑に負けて、彼をアパートの部屋に招いて。
「もちろん避妊はしたのよ、ちゃんとコンビニで買って。でも2回目でしょう? 正しく装着できてたかと問われれば、ね。一晩中ずっと抱き合ってたから、何回もだし」