颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
腰をつかまれてころんとうつ伏せにされた。肩からマッサージは始まった。Tシャツの上から軽くなぞられ、指を使ってもみ込まれた。

ぐわあーっ、効くぅ。


「なんて声出してんの」
「気持ち良くてですね……颯悟さん、プロいけますよ、プロ!」
「そう? じゃあみのりの専属マッサージになるよ」
「ほんとですか?」
「いいよ。そしたら仙台に帰らなくてもいいでしょ?」


桐生颯悟の手は肩から背中に移った。背骨の脇をゴリゴリと親指で差し込まれ、くーっ!、と喜びの悲鳴を上げる。イタ気持ちいい。このところ毎日ランニングで疲れてた体にはいい刺激だった。あまりの気持ちよさに眠くなって目がとろんとした。よだれをソファに垂らさないように気をつけなきゃ。

腰までじっくりともまれて、桐生颯悟の手は尾てい骨で止まった。


「足、もんでいい?」
「もんでくれるんですか? ひひひ」
「なに、キモ。もむよ?」


お尻を飛び越えて手がふくらはぎに添えられた。
直に伝わる桐生颯悟の熱。いけない、ショートパンツだった。素手で触れられて違う意味でドキドキしてしまう。

ふくらはぎの両脇をもまれた。ああ、気持ちいい。


「ああ……う……」
「仙台のマッサージでもそんな声出してんの?」
「ええ、まあ」
「よく拒否されないね、そのキモさで」
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