颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
「男じゃなかったんだ」
「え?」
「なんでもない。ひとりごと」
ころんと仰向けにもどされる。
私の顔の真上には桐生颯悟の真顔。彼の手はソファと背もたれと肘掛け、膝立ちで私に寄り添っていた。
目が合う。でもすぐにそっぽを向いた。
このパターン、何か言いにくいときだ。
「帰らないで……いてよ」
「あのう」
「オレが失恋したら慰めてくれるんでしょ? だったらもう少し、オレのそばに、いて?」
桐生颯悟の頬が赤い。目をはずしたまま、バツの悪そうに、シュンとして。
「……ダメ?」
きゅーん。キュン死フラグ立ちました!
かわいい、かわいすぎるっ!!
こんな顔されて、あんなキスされたら身が持たない。体中の血が沸騰してしまう。
「一緒に住むの……イヤ?」
「だだだだだって、颯悟さんキスしたりキスしたりキスしたりするから!」
「なら、キスしたりしないから。だからもう少し、一緒にいて?」