颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)

「おはようございます」
「おはよう、副社長夫人」
「☆§●※▽■〇×?!」
「あれ、違うの?」
「ち、違います。それより今日ですね」
「仙台支社長だろ? 面談にいくけど麦倉から伝言あるか?」
「いいいいえ。でも仙台支社のアイドルですしお目にかかりたいなーなんて。そうじゃなくて、課長は早百合さんと悠斗くんに会うんですよね」
「ああ、そっち? 緊張しちゃうから思い出さないようにしてたのに」
「すみません。でも実るといいですね、三度目の正直と申しますか」


歓迎会でおんぶしてもらったとき、佐藤課長は結婚相手としてどうだ?と聞いてきた。あれは私へのプロポーズの布石ではなく、自分に自信がなかったからだ。結婚相手として父親としての自信。早百合さん、容赦なさそうだし。なんだかんだいっても佐藤課長の方が年下だし。子どもなんだろうな。

そういえばあのとき。意味不明の言葉を桐生颯悟にかけてなかったか? 「ちゃんと背負わないと落ちますよ、フツーの女は」って。で、桐生颯悟が「経験者のアドバイスですか?」的なことを。

佐藤課長にたずねようとしたけど、面談行ってくるわ、と手をひらひらさせてオフィスを出ていってしまった。


*―*―*

< 141 / 328 >

この作品をシェア

pagetop