颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
私は顎をしゃくり、偉そうに桐生颯悟を見上げた。
真っ赤な頬は耳まで伝染して首まで桃色に染めている。かわいい。
「みのり……さ、ん」
桐生颯悟の顔が真っ赤になった!かわいい!かわいすぎるっ!!
むふ。私は笑ってしまった。
それが癪にさわったのか、桐生颯悟は口をとがらせてむっとした。
そんな顔もかわいかったりして。
「一回言ったからね! もう言わないからっ!!」
「ふうん、もう言ってくれないんだあ?」
「みのりって性悪……」
「なんか言った?」
「っ……」
まあ、このくらいにしておこう。あんまりいじめると泣いちゃいそうだから。
いじめっ子に限っていじめに弱かったりするし。
「颯悟さん。私も颯悟さんのことが好きです」
「えっ? 佐藤課長じゃなかったの?」
「なんで佐藤課長なんですか。上司以外の何者でもないですし」
「ほ、ホントに?」
「なんか、わからないけど、いつの間にか颯悟さん、好きになっててですね、だから同棲は願ってもないと申しますか」
私も好き。颯悟さんのこと。
きっと、あのキスから。最初にされた甘いキスから。
「キス……していい?」
「うん。え、あ、はい?」
桐生颯悟は私を抱き上げてリビングにいく。ソファにおろすのかと思いきや、彼はあっちの部屋に向かった。
私の部屋じゃなくて、桐生颯悟の部屋。