颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
あ、そう言えば昨日だって言ってたっけ。悠斗くんと佐藤課長の顔合わせ。それと関係してるのかも。

まさか……決裂?
意志の強そうな早百合さんならありそうだ。

恐る恐る、課長にたずねる。


「つかぬことを聞きますが……早百合さんと……」
「悠斗の進学先がちゃんと決まったら俺んとこに来るって。やっと覚悟決めたみたいよ、うちのカミさん」


カミさん? 早百合さんのこと?

佐藤課長は長い髪をかきあげ、そのまま頭をかいた。恥ずかしそうに、ちょっと頬を赤くして。

と、いうことは。


「そうなんですねっ!、おめでとうございます!」
「まあ、まだいろいろあるけどね。週末は早百合さんの実家行って話してくるわ。うちの実家もだけどよ。もう手放す気はないし」


早百合さんは悠斗くんを身ごもって、実家から勘当された。それを解くために佐藤課長は説得に行くんだろう。

それと佐藤課長のご実家……サトーホテルズグループ総裁一家。


「そんなわけで。あとは宜しく」
「いや、でもですね」
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