颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)

「露天風呂?」
「洋館タイプはプライベートプールなんだけど、そっちの方がよかった?」


ガラスのドアを開けて桐生颯悟はウッドデッキに出た。

隅に直径1・5メートルほどの岩風呂が申し訳程度に付いていた。


「ふたりだと狭いね」
「☆§●※▽■〇×?!」


ふたりで入るつもりでいたのか??、桐生颯悟っ!!


*―*―*

まあ、そんなこんなで。

ウッドデッキで水平線に埋もれていく夕陽を眺めて。
完全に沈むまでのあいだ、桐生颯悟はなんどもなんどもついばむキスを重ねて。

私のほうがもの足りなくなって、桐生颯悟のジャケットの袖を引っ張ったりして。自分からもキスしてみたりして。

でも熱いキスはしてもらえなかった。


「颯悟さん……ほしい……いつものキス」
「だめ。がまんできなくなるから」


なんて、他人が見たらドン引きするような甘い時間を過ごして。
< 176 / 328 >

この作品をシェア

pagetop