颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
私は桐生颯悟の腕から抜け出して、隣の布団を抱えた。
「どうするの、布団」
「あっちのリビングで休もうかと」
「どうして?」
「だって、その。できないのに同じ部屋にいるのも拷問かと思いまして」
「バカ」
ぐい。手首をつかまれて引き寄せられた。バランスを崩して布団ごと桐生颯悟の腕に逆戻りした。
「下着、見せて? それくらいならいいでしょ?」
四つん這いで桐生颯悟は私の上に身をおいた。ちゅ、ちゅ、とついばむキス。上唇と下唇を交互にはむキス。いつもの順番だ。
直に唇の間を濡れた舌が差し込まれて、口内をまさぐる。舌を絡めて桐生颯悟の動きに応える。接した面が甘くて熱くて、体の芯がじんわりと震えた。ずっとずっと欲しかったキス。
熱い。体の中から熱くなる。ジンジンと波のようなものが伝わってくる。
でも桐生颯悟の舌はすぐに外された。
その唇は顎、耳たぶ、耳と移動を始めたから。
わざと音を立ててキスを落としていく。そんなキス、耳元でされたら、ダメなのに、桐生颯悟はお構いなしに耳元でキスを繰り返す。
ウイークポイントだって知ってて、攻めてる。
首をすくめて身体に力を入れて耐える。
「そ、ごさん……そこ、ダメ……」
「知ってる」
「や……ずるい……」
キスしかしてないのに。
ダメ……声が漏れてしまう。手首を噛んで堪えた。