颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
「みのり。声、がまんしないで? だって、みのりの声、聞きたいから。みのりの感じてる声、聞かせて」
「やだ。恥ずかしい、から」
「聞いてるのオレだけだから。隣には聞こえないから」
桐生颯悟は私の手首をつかみ、私の口元から離した。
キスは耳元から首筋に、その先は浴衣の上からキスを落としていく。布越しのキスがもどかしい。
胸、脇腹、腰骨、太もも、膝、ふくらはぎ。
ひと通りキスをし終えると唇は私の唇にもどってきた。
再び始まる深いキス。
頭の中がクラクラする。
「そ、ご……さん。もう拷問……」
「ホント拷問だよね。でもキミを好きになってから毎日拷問だったから、いまさらだけどね、オレは」
そう言って桐生颯悟は私の浴衣の襟元をぐいと広げた。
やっぱり最初は白にしたかった。純白のサテンにレースとフリルがあしらわれた甘めのデザイン。上下とキャミソールのお揃い3点セットだ。
桐生颯悟は浴衣のはだけた胸を見つめたまま、黙っている。