颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
ああ、これがデキる秘書。
「ありがとう。牧田さん、お昼の時間に食い込んじゃったね。少しゆっくりしてきて」
ありがとうございます、と彼女はカワイイ声で返事をして部屋を出て行った。
「か、カワイイですねっ、牧田さん!」
「そうだね、見えない女子力も高いよね。先を見越した連絡、配慮。そういうの苦手そうだよね、みのりは」
「そんなこと」
「そう? もう忘れたの? 自分の月のサイクルも把握できてな……」
「わー、わーっ! すみませんでしたっ!!」
う。
それを指摘されるとなにも言えない。
週末にオアズケ食ったこと、根に持ってそうだ。
「今聞いてたと思うけど、今夜遅くなるから先に休んでて。みのりも仕事してるんだからオレのこと待ってなくていいよ」
「はあい」
「じゃあ先におやすみのキスね」
ちゅ。ちゅーっ。
今日のキスは冷茶の爽やかな味がした。
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