颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
眩しさに目を覚ますと、そこは桐生颯悟のベッド。
隣にはスースーと寝息をたてている彼がいた。

ああ、看病しながら寝ちゃったんだ。
しかも一緒に……添い寝で。

その寝顔を見つめる。

昨夜ほど呼吸も速くないし、顔色もいい。
桐生颯悟の額に手を当てると、手のひらと温度差がないことを確認した。

熱、下がったんだ。よかった。

お粥炊こうかな、とベッドから抜け出そうとしたら体をホールドされた。

しかもがっつり。
タックルでもされたようなレベルで。


「あの、起きてたんですか?」
「ん、みの……やだ……ない、で……」


寝ぼけてる。ひゃあ、かわいい!

昨夜もずっと甘えててかわいかったなあ、なんて思い出していると、桐生颯悟はパチリと目を開けた。

ぱちくりぱちくりと瞬きをして驚いた様子。そしてホールドしていた腕を外して、私の肩を押しのけた。


「ちょっ、そんな突き飛ばすなんて」
「どうしてみのりがここにいるの? 痴女?」


え、ひどっ。記憶飛んでるの?


「覚えてないんですか? 昨夜しようとしてベッドに入って、颯悟さん高熱で意識朦朧になって。ずっと看病してたんですけど」
< 228 / 328 >

この作品をシェア

pagetop