颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
ホントは今夜決行のはずだった、アレ。
ちゃんと白の下着を身につけてスタンバっていたのに。

でもちょっとほっとしてる自分もいる。やっぱり好きな人との初ベッドは緊張するし不安もある。

ただでさえ胸をパッド2枚重ねで盛っている私は罪悪感でいっぱいなのだ。

桐生颯悟をだましてる、みたいな?


「いいよ、そんなの。キミの真似をするなら、“先々週の分も先週の分も今週の分もあわせていっぱい”してくれれば。キミの言ういっぱいってどんなふうなの?」
「え、あの、ええっ?」
「それともどんなふうにいっぱいしてほしいの? リクエストは?」


そんなことを言われて、かあっと顔が熱くなる。熱がさらに上がって顔中の水分が蒸発してしまいそうになる。

にこにこ顔の桐生颯悟。絶対からかってるのはわかっているけど。


「いっぱいっていうのは量のものさしだよね。時間がいっぱいってこと? それとも量のこと? それとも激しさの……」
「わーわーわーっ! コホッ、コホッ」


桐生颯悟は立ち上がり、ベッドに片膝を乗せると、パジャマの上から私の背中をさすった。
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