颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
「だめだよ、大きな声出したら」
「そ、颯悟さんがからかうから」
「からかってないよ。ホントのことだし?」
「だって。コホッ、コホッコホッ」


彼の大きな手は摩擦のせいか暖かく感じた。


「ブラ、してないんだね」
「はい。パジャマに着替えるときに外したから」
「ふうん」


そうだった。今私の胸をガードするものはなにもない。
背中をさする桐生颯悟の手が前に回ったらどんな反応をするだろう。


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『キミ、どっちが背中なの? 体がのっぺらぼうだよ?? そんな女の子とは付き合えない。さよなら』

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とか?

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『えぐれてるなんて、ありえない。豊胸手術してきて。予約しといたから。やっぱり女の子はFカップだよね?』

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とか?

ぶるぶる。顔を横に振った。


「みのりは週末、なにか予定はあったの?」
「しばらくマンションに帰ってないので、様子を見に行きたかったんですけど。郵便物とかたまってるかなあ、って」
「じゃあ見に行ってくるよ。懇親会は夕方からだから」
「ありがとうございます」
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