颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
桐生颯悟に付き添われ、階下にあるクリニックで受診して。
風邪と診断されお薬をもらい。
「じゃあ行ってくるね。お昼前には戻れると思うけど、なにか食べたいものは?」
「えっと……大根湯」
「大根湯? なにそれ」
「熱い番茶に大根おろしと生姜をいれて飲むんですけど。母がいつも作ってくれるんです。そんなに美味しいものじゃないんですけど、効くっていうか……」
思い出して、なんだか泣けてきた。お母さん、元気かな。
風邪が治ったら電話しなくちゃ。
「ふうん。じゃあいってくるね」
「お願いします」
*―*―*
果たして、3時間後。
ちょうどトイレから出たところで桐生颯悟は帰宅した。
大根の入ったスーパー袋と帆布トートを抱えている。
うつむき加減で下を見ている。
私に気付かず通り過ぎようとしたので、声をかけた。
「颯悟さん、お帰りな……」
「あっ。いたの、キミ」
目をまあるくして本当に驚いたみたいだった。
そのあと私の顔を見てにこにこと笑い、荷物を持ったまま、ちゅ、とキスをする。通常運転だ。
「大根、買ってきてくれたんですね」
「うん。今作るね。大根と生姜をおろせばいいの? あと番茶?」
「はい。でもそのくらい自分で」
「いいから。キミは休んでて。これが郵便物」
トートを差し出され、受け取る。桐生颯悟は私から目をそらし、床を見つめていた。
風邪と診断されお薬をもらい。
「じゃあ行ってくるね。お昼前には戻れると思うけど、なにか食べたいものは?」
「えっと……大根湯」
「大根湯? なにそれ」
「熱い番茶に大根おろしと生姜をいれて飲むんですけど。母がいつも作ってくれるんです。そんなに美味しいものじゃないんですけど、効くっていうか……」
思い出して、なんだか泣けてきた。お母さん、元気かな。
風邪が治ったら電話しなくちゃ。
「ふうん。じゃあいってくるね」
「お願いします」
*―*―*
果たして、3時間後。
ちょうどトイレから出たところで桐生颯悟は帰宅した。
大根の入ったスーパー袋と帆布トートを抱えている。
うつむき加減で下を見ている。
私に気付かず通り過ぎようとしたので、声をかけた。
「颯悟さん、お帰りな……」
「あっ。いたの、キミ」
目をまあるくして本当に驚いたみたいだった。
そのあと私の顔を見てにこにこと笑い、荷物を持ったまま、ちゅ、とキスをする。通常運転だ。
「大根、買ってきてくれたんですね」
「うん。今作るね。大根と生姜をおろせばいいの? あと番茶?」
「はい。でもそのくらい自分で」
「いいから。キミは休んでて。これが郵便物」
トートを差し出され、受け取る。桐生颯悟は私から目をそらし、床を見つめていた。