颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
結局、昨夜は4回戦だったのだけど。

3回戦直後、私は息も絶え絶えにぐったりと桐生颯悟の胸にうなだれた。もう何度も何度も天国に召されては地上に引き戻され、休む間もなく昇天する。意識も飛びそうになった。体力も気力も限界だった。なのに、『先々々週の分と先々週の分と先週の分と今週の分で4回じゃん?』という桐生颯悟の理屈にうなずいてしまった。

だから私の腰はダメージ半端ない。ずっと蛙の如く足を開脚し、桐生颯悟の高速スピンを受け止めていたのだから、ゲームで言うところのHPゼロだ。

なのに桐生颯悟はなんともないのか?
精力絶倫?


「股関節が痛いの? ならバックならいい?」
「すす、す、するんですか?」
「したい。しよ? みのり」
「や、その、んん!」


ちゅ。優しく合わせるだけの唇へのキス。
顎をつままれて、軽く口を開かされ、舌が割り込んでくる。


「みのり。ダメ、止まらない」
「いや、あの、その……と、止めてくださ、い……」
「昨日したから、余計にキスが甘いんだね」
「そ、そそ、それはどうしてでしょう?」
「相性が深まった、ってことじゃないの? ホント、止められない。しよ? みのり」
「いや、あのでもですね」
「優しくするから」
「そ、颯悟さんの優しくするはアテにならないから……んん、んっ!」

後頭部に回された手ががっしりと私の頭をつかんで固定した。グイと開かれた口から桐生颯悟は遠慮なしに舌を割り込ませる。逃げる間もなく絡みつく舌に熱と甘さを感じた。
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