颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
ジンジンと体の芯が痺れだした。キスだけで昨日の官能を思い出してしまうなんて、パブロフの犬だ。

ひと晩しただけでこの反応って、相性がいいから? それとも欲求たまりまくってるから?

シーツ蓑虫の私の上に覆い被さる桐生颯悟。キスに応じていると、シーツの上から手のひらが当てられた……胸の上に。

ほんとにするのかな。
さわさわと撫でられて、ちょっと感じてしまって、少し胸をそらせてしまった。

なんか、ソクゾクする。身動きのとれない状態で刺激を与えられて悶えてしまうなんて、私はMか?

ピピピ、ピピピ、ピピピ。
電子音が聞こえた。桐生颯悟のスマホの着信音だ。桐生颯悟は名残惜しそうな顔をして、私から離れた。ローテーブルに置いてあるスマホを取る。


「こんにちは父さん。何か用? 会社でトラブルとか?」


声は明るく軽い。でも顔は仏頂面だ。


「だから父さん。僕はみのりさんと真剣に交際してる。お見合いなんて受けないよ。だから……そんなこといっても……受けるつもりもないのに会うなんて失礼で……」


父親からお見合いの話らしい。
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