颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
ハイハイ。わかりました、わかりました!
桐生颯悟は早百合さんに片想い中、もしくはつき合っている。
とにかく、桐生颯悟は早百合さんに想いを寄せている。
見えてきた、見えてきた。
早百合さんと結ばれたい桐生颯悟は、許嫁の祐理恵さんとどうにかして婚約を解消させ、身軽になったところで早百合さんにプロポーズしたい、と。
カマをかけてみるか。
「颯悟さん。早百合さんって美人ですよねー?」
「そうだね」
「清楚系ですけど、編み込みをほどいてユニフォーム脱いだら大人フェロモンたっぷりそうですよねー?」
「キミと違ってね」
「“こんな色っぽい姿、僕のほかのひとには見せないでね”とか言ってみたいですよねーっ?」
桐生颯悟は目をまん丸にして、頬を真っ赤にさせた。
「颯悟さん、早百合さんといい雰囲気ですね。もしかしてつき合ってたりします?」
「そ、そんなわけないじゃん」と、つっかえる桐生颯悟。
「へー。お似合いですけどね?」
「……」
これ以上ないほどのストレートな桐生颯悟の反応。
耳まで真っ赤になった。なにこれ、すっごくかわいいんですけど!
はい、桐生颯悟の一方通行、確定。