颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
うわわわわ。背負っている負のオーラがさっきよりすごいことになっている。それと対比をなす桐生颯悟のにこにこスマイル。


「な、なにしてるのよっ!!」
「キス。見てなかったの?」
「見てたから言ってるのよ! 会社でこんなこと」
「祐理恵さんだってプライベートの用事で来たんでしょ。だったら僕がプライベートのキスしてもおかしくないよね?」


にこにこ笑顔の桐生颯悟は飄々と祐理恵さんに屁理屈を言ってのけた。

祐理恵さんの眉間がグシャグシャになった。美人が怒るとホントに迫力がある。


「颯悟さんっ! こんなオンナのどこがいいの?」
「こう見えて家庭的なんだ。ね、みのり?」


みのりっ??
呼び捨てっ??
年下のくせにっ!


「みの……☆§●※▽■〇×?!」
「みのりの得意料理はポテトコロッケだよね。すっごくおいしいんだ」


ポテトコロッケなんて作ったことない。食べたいときはスーパーの総菜コーナーで済ませちゃってるし。


「コロッケなんてどこでも売ってるじゃない」
「そうかもしれないけど、みのりのは特別。祐理恵さんにも食べてもらいたいな」


はい??


「☆§●※▽■〇×?!」


だからつねらないでってば。


「コロッケなんて貧乏臭いわ。私のカニクリームコロッケの方が絶品よ!」
「そうなんだ。でも僕、ポテトコロッケなんてあまり食べさせてもらえなかったから新鮮なんだよね」
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