颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
少し休ませてもらったけど、足腰たたない状態で。歓迎会の主役が途中棄権するという緊急事態。
私のカバンを腕にくぐらせた課長に背負われ、店を出る。オフィス街の歩道は車の通りも人も少なくて、静かにゆったりと時間が流れていた。朝夕の喧騒が嘘のようだ。
夜風が火照った頬に気持ちいい。
「課長すみません、重たいですよね?」
「麦倉ぐらいなんともないさ」
「課長って優しいですね。頼りになりますし」
「そうか? 俺の中では葛藤でいっぱいよ。いろいろと自信がないんだよねー、この年になると。体力とか精力とか。守りの態勢になるっつうか。俺は意外とちっさいのよ。なあ、麦倉みのり、お前からみて俺はどうだ? 結婚相手としていいと思うか?」
「ええ。適度に緩くて適度に固いと申しますか。課長クラスなら経済力もあるし問題ないですよ」
「俺と結婚するか?」
背負われている私からは課長の顔は見えない。でも冗談とも本気とも取れるような言い方だった。
桐生颯悟なんかよりずっと大人で頼もしい男だと思う。ふたりでいても喧嘩なんかなくて、いつも甘えさせてくれて、すべてを包んでくれるひと。こういうひとの方が女の子は幸せになれそうだよなあ、なんて。
ゆっさゆっさと揺れる課長の背中が気持ちいい。
私のカバンを腕にくぐらせた課長に背負われ、店を出る。オフィス街の歩道は車の通りも人も少なくて、静かにゆったりと時間が流れていた。朝夕の喧騒が嘘のようだ。
夜風が火照った頬に気持ちいい。
「課長すみません、重たいですよね?」
「麦倉ぐらいなんともないさ」
「課長って優しいですね。頼りになりますし」
「そうか? 俺の中では葛藤でいっぱいよ。いろいろと自信がないんだよねー、この年になると。体力とか精力とか。守りの態勢になるっつうか。俺は意外とちっさいのよ。なあ、麦倉みのり、お前からみて俺はどうだ? 結婚相手としていいと思うか?」
「ええ。適度に緩くて適度に固いと申しますか。課長クラスなら経済力もあるし問題ないですよ」
「俺と結婚するか?」
背負われている私からは課長の顔は見えない。でも冗談とも本気とも取れるような言い方だった。
桐生颯悟なんかよりずっと大人で頼もしい男だと思う。ふたりでいても喧嘩なんかなくて、いつも甘えさせてくれて、すべてを包んでくれるひと。こういうひとの方が女の子は幸せになれそうだよなあ、なんて。
ゆっさゆっさと揺れる課長の背中が気持ちいい。