最恐ドクターの手懐けかた II
……はぁ?
ナースと上手くやるのも仕事の一つ?
何言ってんの、このおっさん。
「ねぇ、優奈ちゃん?」
思わず隣にいた優奈ちゃんに聞いていた。
「遠藤先生ってナースと上手くやっていなかったよね。
漢マンってバレるまで、病棟の腫れ物扱いだったよね」
その言葉に、優奈ちゃんはこくこくと頷く。
「私、遠藤先生とマトモに話したの、遠藤先生が大馬鹿だって分かってからですよ?」
そんな私たちの会話は、地獄耳の遠藤先生に聞こえてしまったらしい。
彼はいつものように鬼の顔で私たちを怒鳴り散らした。
「そこ!聞こえてるぞ!!
病棟で二度とその話をするな!!」
いや、するに決まってるでしょ。
だって、漢マンのネタは探せば探すほど出てくるから。
遠藤先生は相変わらず暴君だが、優しくて繊細な遠藤先生も知っている。
だけど、それは私だけの秘密にしておこう。