最恐ドクターの手懐けかた II








桃尻先生は急に弱くなってしまった。

彼女は明らかに、産科病棟で孤立していた。

いい気味だ。

だけど、悲しそうな彼女を見ると、なぜか私の胸まで痛んでしまう。

桃尻先生をぎゃふんと言わせたかった。

だけどこれじゃ、いじめじゃない?






こんな調子でいつも通り時間が過ぎ……







昼休み、遠藤先生に呼ばれた。

連れられた先は、なんと内診室だったのだ。





「……はぁ!?正気ですか?

絶対嫌って言ってるでしょ!!」




顔を歪めて抵抗する私に、奴は涼しい顔で言う。




「新しいエコーの機械が入ったんだ。

どんなもんか試してみたいと思ってな」


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