最恐ドクターの手懐けかた II
「確かにお前は働きすぎだ。
ああやってせかせか働かれると、こっちも不安になるんだよな」
この人、なにか話を勘違いしていない?
「万が一お前の身体に何かあるかと思うと、俺は居ても立っても居られねぇ」
そんな遠藤先生に、思わず言ってしまった。
「桃尻先生に椅子を譲れって言ったくせに」
すると、彼の顔は悲しそうに歪む。
「だよなー。俺、最低だ」
なにもそこまでへこまなくてもいいくせに。
だけど、遠藤先生の気持ちは素直に嬉しかった。
私、大切にされているんだなと思った。
「俺は奈々が大切なんだ」
そう言って、ジェルで濡れた私の腹部にそっと唇を付ける。
その瞬間、お腹がかあっと熱くなる。
もっともっとキスして欲しいと思ってしまう。