最恐ドクターの手懐けかた II








813号室はVIP病室だった。

広いベッドに大きなソファー。

おまけにシャワールーム付き。

その病室の入り口に突っ立って、彼らをぽかーんと見ていた。






「優弥、煙草吸いに行くとか、出来るはずないでしょ」




ごく普通のサラリーマン風の男性は、ソファーに腰掛けて楽しそうに笑っている。

その隣で、



「その体でよく動けたね。

点滴引きちぎってまで煙草吸いたかったの?」



ゲームをしながら地味な男性が呟いた。

そして窓際に立っていたのは、



「おー、奈々ちゃん、久しぶり。

琥太郎君と結婚したんだって?」



いつぞやのお洒落大食い専門店の店長さんだったのだ。



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