最恐ドクターの手懐けかた II
遠藤先生と言うなと言われ、迷った末に
「遠藤君」
遠慮がちに呼ぶと、彼はびっくりして急ブレーキを踏む。
それで車の窓に頭を打ちつけそうになった。
「なっ、何してるんですか?危ない!!」
ふざけないで運転して欲しい。
二人分の命を預けているのだから。
そんな私を睨めず、フロントガラスを睨んでいる遠藤先生は再びイラついたように言う。
「だから!お前も遠藤だろ!
俺も遠藤だろ!!」
「遠藤とか嫌です」
でも、好きな人と一緒だから許してやろう。
最後の部分は心の中で呟いた。