最恐ドクターの手懐けかた II
Fってもっとクールでカリスマでかっこいいイメージだった。
ボーカルの碧なんて、五十代半ばにしてあのかっこよさは犯罪だと思っていた。
それなのに、目の前にはしょぼくれたおっさんが三人だ。
口をあんぐりと開けている私を見て、遠藤先生は大きなため息をつく。
そして、
「あれ?漢マンなのにそういう話、しないんだ」
超かっこいい碧らしくない顔で笑う柊君の父親。
あー……柊君のお父さんって、碧なんだ。
父子揃って凄いなぁ。
ん?でも、遠藤先生って艶よりもむしろ碧に似てない!?
二人の顔を見比べる私に、イラついたように遠藤先生は告げた。
「こいつ、俺の母親の弟。
俺は母親似」