最恐ドクターの手懐けかた II
トイレに入り恐る恐る下着を下ろしたが……
下着は真っ赤に染まってはいなかった。
それを見てホッとするとともに、新たな恐怖が押し寄せる。
……破水だ。
産科病棟で働く私は、かなり早い段階で破水してしまった妊婦をたくさん見てきた。
持ち直した人もいれば、そのまま出産になってしまった人もいる。
だが、持ち直したとはいえ、感染と戦う毎日だ。
今まで順調だったからこそ不安になる。
大丈夫大丈夫と無理をしすきて、赤ちゃんが耐えられなくなってしまったのかもしれない。
この命は私しか守ることが出来ないのに……どうして無理をしてしまったのだろう。
後悔が押し寄せた。