最恐ドクターの手懐けかた II
私は、母親としての自覚が足りなかったのかもしれない。
だけど、この子には絶対に元気でいて欲しい。
失いたくない!!
携帯に手を伸ばす。
そして、産科病棟へ電話をかけた。
「はい、産科病棟です」
電話に出たのは、なんと遠藤先生だった。
その声を聞いた瞬間、涙が溢れてきた。
「先生……」
「どうされました!?」
電話口の向こうの彼は、電話の主が私だと気づいていないようだ。
そんな彼に震える声で告げた。