最恐ドクターの手懐けかた II





「破水したかも……」



「落ち着いてください」



「先生……赤ちゃん、もうだめかも……」




一呼吸置いて、彼は聞く。




「落ち着いて症状を教えてください。

カルテを開くので、氏名と生年月日をお願いします」



「遠藤……奈々」




震える声でそう言った瞬間、



ガシャーン!!



何かが割れる音がした。

そして、今までの落ち着き様が嘘みたいな彼の声が聞こえる。



< 138 / 406 >

この作品をシェア

pagetop