最恐ドクターの手懐けかた II









「奈々!!」




駆け寄ってくる遠藤先生を見て、さらに涙が溢れた。




「大丈夫だ、大丈夫だから!!」




彼はそう言って、私の下着を剥ぎ取る。




うわっ、やめてよ!!

あんたなんかに絶対内診させない!!

そう思っていたのに……

今の私はそれどころではなかった。

ただ手を握りしめ、赤ちゃん元気でいてくださいと祈っていた。








「力抜けよ」




そう言って器具が入れられ……




「……は?破水?」




カーテンの向こうから、戸惑った声が聞こえてくる。




「お前、マジで破水したのか?」



「しました!!

寝返りを打ったら、チョロっと出ました」



「それ、尿漏れじゃね?」


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