最恐ドクターの手懐けかた II




「……しっかり診てください」




真っ赤な顔で震えながら告げる。

そんな私の頭をそっと撫で……




「明日朝イチで、畑中先生に診てもらえ」




彼は優しく告げる。




「そんなにお前が嫌がるなら、これ以上何も出来ねぇ。

それに……俺がおかしくなりそうだ」





やめて。そんなこと言わないで。

私だっておかしくなってしまうから。





「お前、16週だろ?

安定期になっただろ?」




その声は甘く切なげで、きゅーっと胸に染み渡る。

私は遠藤先生の白衣にぎゅっとしがみついた。




「破水じゃなかったら……

何も問題ないなら……

抱くぞ」





やめて、そんなこと言わないで。

本当に抱いて欲しくなってしまうから。



< 146 / 406 >

この作品をシェア

pagetop