最恐ドクターの手懐けかた II
遠藤先生は時計を見上げた。
時計は五時半を指している。
窓の外はすでに明るく、すっかり朝の気配が漂っている。
「帰ってもすぐ出勤だし、何かあっても困るから、当直室に泊まれよ」
「……え?」
「当直室に泊まれっつってんだよ」
そう言って、そっと私の髪を撫でる。
髪に触れる遠藤先生の手が心地よくて、愛しい彼に身を寄せた。
……そう、好きを通り越して、愛しくなっている。
もう、どうしようもないほど彼が好きだ。