最恐ドクターの手懐けかた II
「この痛い視線とも一生のお付き合いなんですね」
ため息混じりに答えたが、無視される。
当の本人は痛い視線に気付いていないのかもしれない。
何という鈍感力だろうか。
「また、男優のいとこにコーディネートしてもらってくださいよ」
だって、普通の服を着ている遠藤先生は、あり得ないくらいかっこよかったから。
それなのに、
「男優!?」
そこに噛み付く遠藤先生。
「男優なのか?
……あいつ、男優だったのか!?」
まさか遠藤先生、知らなかったの!?
だから慌てて秘密ですよと付け加えた。