最恐ドクターの手懐けかた II
仕方なく彼に告げる。
「術衣で行きましょう」
「はぁ!?」
「遠藤先生の私服よりはマシです」
「行けるか、ボケ!!」
彼はそう叫んで、心底嫌そうに壁に掛けてあったスーツのパンツを履いた。
あー……そこにマトモなものがあったのか。
唯一のマトモがあったのか。
もしかして遠藤先生、自分でも分かってるんじゃない?
持っている服の中で、スーツが一番マシだということを。
いつもスーツを着ていてくれればいいのに。
スーツもなかなかかっこいいから。