最恐ドクターの手懐けかた II
改めて自分の腕を見た。
所々青く腫れている点滴の跡に、言葉を失う。
どんな痛みにも耐えたいと思う。
赤ちゃんが元気でいられるなら。
携帯から、漢マンの馬鹿みたいにふざけた明るい曲が聞こえてきた。
何度も聞いたその曲は、明るすぎて逆に気分が滅入ってしまう。
ここは、もう少し落ち着いた曲を……
目に飛び込んだのは、漢マンがカバーしているFの『green』。
これ以外のFの曲はカバーしていないようだが……その曲を聴いて初めて分かった。
切ない言葉で綴られているその曲は、元気に生まれてくるはずだった柊君の妹を思って書かれた曲だった。
その切ない歌声を聴いて……涙を流していた。