最恐ドクターの手懐けかた II
Case.12 誤解です!
私の病室に入ってくる人は、遠藤先生だけではない。
いつの間にかナースの溜まり場になってきた。
「冴木さん、聞いてください!!
桃尻が仕事の邪魔するんです!!」
そして、いつも桃尻先生の愚痴を言って去っていった。
桃尻先生がハイパームカつくことは分かっている。
私だって大嫌いだ。
だけど、最近の桃尻先生は見るからに元気がない。
弱っているのは見ものだが、いつまでもいじめていてはいけないと思う。
だって、
「優奈ちゃん。そんなこと言ってると、桃尻先生と同じレベルになってしまうよ?」
仕返しはいけないのだから。
そんな私たちのやり取りを聞いて、
「イライラするの分かるよ。
あたしもあんな女性、苦手だから」
みどりちゃんは困った顔で言う。
「でも、きっと柊もいじめはいけないって言うと思うよ?」
そう言って、彼女は何かを思い出したように笑っていた。
こんな中、事件が起こったのだ。