最恐ドクターの手懐けかた II
病室のテレビを見ると、青色の日本代表ユニフォームを着た柊が、得意のシュートを決めたところだった。
嬉しそうな彼を見ると、顔がにやけてしまう。
柊も頑張っているのだから、あたしも頑張らなきゃ。
なんとかして持ちこたえなきゃ。
そんな私に、お義母さんは話を続けた。
「知っているかもしれないけど、柚と柊の他に、もう一人女の子がいたんだ。
その子、六ヶ月を前に出てきてしまって、助けられなかったんだ」