最恐ドクターの手懐けかた II
「俺がサッカーボール蹴るとバレるっつーことで斗真に蹴らせたんだけど、あいつまあ下手で下手で。
琥太郎の顔面に当たりまくって漢マンどころじゃねぇし」
男三人でまた馬鹿やってるんだ。
私、いないほうが楽しそうだな。
「それで結局木登りすることになった」
木登り……猿か。
なんでサッカーから木登りに!?
こいつら、本当に馬鹿すぎる!
「木に登ったら蜂に襲われて、死ぬ思いで逃げ帰ってきたんだ。
プリキュアのお面で顔刺されなかったのは良かったけど」
そう言って差し出された柊君の腕は、パンパンに腫れていた。
馬鹿にも限度がある。
自分の命を大切にして欲しい。
だけど柊君の落ち込んでいる点はそこではないらしい。
「今日ユニフォーム着ねぇといけないのに、これはないよなぁ……」
「あんたたちの行動があり得ないよ」
みどりちゃんが私の気持ちを代弁してくれた。