最恐ドクターの手懐けかた II









こんな訳で、みどりちゃんと柊君が事情を分かってくれたものの、健太はほぼ毎日見舞いに来た。

そんな健太に遠藤先生が気付かないはずがない。





「奈々、今日は新しい花を持ってきたよ」




健太は花瓶に生けてあった、お義母さんからもらった淡いピンクの花を捨て、手にした菊の花を生けようとする。

絶対安静で動けない私は、



「ちょっと健太!

その花気に入ってるからやめてよ!」



最後の抵抗しか出来ない。

だけど健太は涼しい顔で可愛いピンクの花を、白い菊に差し替える。




菊って……

お見舞いに持ってこないよね、普通。

もしかして死んで欲しいの?

あー、分かった。

健太、わざとやってるんだ。


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