最恐ドクターの手懐けかた II
「私が死んだら、間違いなく健太を呪ってやる」
その言葉に、
「死ぬとか言うなよ」
健太は意外にマトモな答えを返した。
かつては大好きだったその顔を歪めて、私のベッドにすがりつく。
「奈々の容体ってそんなに悪いの?
どこが悪いの?」
あのさ……
まさかのまさか……
健太は私が妊娠していると思っていないのだろうか。
この少し膨らんだお腹も分からないのだろうか。
ここは産科病棟なのに、それにすら気付いていないのだろうか。