最恐ドクターの手懐けかた II
だけど、健太の気持ちはここで治る訳ではないらしい。
「あんた、奈々を妊娠させたのか?
無理矢理妊娠させたのか!?」
その言葉は間違ってはいない。
「奈々を抱いてもいいのは、俺だけだ!」
それは間違っている。
だって私は健太なんてどうでもいいし、遠藤先生の前でそんなこと言わないで欲しい。
だって……私だって遠藤先生に抱かれた(らしい)ことなんて、一回しかないのだから。
「とにかく!
そんな訳だから、健太は二度と来ないでよ!!」
声を荒げる私を、健太は泣きそうな顔で見た。
そして、また来ると告げて出て行った。