最恐ドクターの手懐けかた II









散々暴れ回った健太が出て行った病室は、気まずい空気でいっぱいだった。

遠藤先生に弁明しないといけない。

だけど、弁明することすら嫌だ。

あんなに非常識な元彼と付き合っていたなんて思われたくないのだ。




……あれ?

よく考えれば、遠藤先生だって非常識だ。

私の元彼は非常識な人ばかりなのだろうか。






「おい」




私を呼ぶ遠藤先生は、想像通り怒りに満ちていた。

それはもう、スーパーサイヤ人ではなくスーパー漢マンだと言えるほどに。

そんな遠藤先生に、必死で弁明する。




「不倫じゃないですから!

健太が勝手に言ってるだけです!!」



「健太っててめぇ……

俺よりもあいつと仲良くしやがって!」





確かにそれは否定出来ない。

遠藤先生っていまだに遠藤先生だし。


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