最恐ドクターの手懐けかた II





平静を装ってオートロックを抜けながらも、背中を大量の冷や汗が流れた。

ちらりと下を見ると、駐車場にはまだ健太の姿が見えた。

なんとか家に滑り込み、玄関にしゃがみこむ。

そして

『遠藤先生、ヤバイです』

震える手でメールを送っていた。




遠藤先生が漢マンだとバレたらどうしよう。

遠藤先生はあんなに秘密にしていたのに。

その密かな楽しみを奪いたくないと、本気で思った。


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