最恐ドクターの手懐けかた II
そのダブルベッドで遠藤先生の帰りをひたすら待った。
無臭にんにく漢ラーメンのせいか、柔軟剤の甘い香りとほんのり男性らしい香りのするその布団に顔を埋め、お腹の赤ちゃんに大丈夫だよと言い聞かせる。
そして彼が帰って来たのは、午後七時過ぎだった。
ガチャガチャと鍵を開ける音が聞こえ、居ても立っても居られない私は玄関へ急ぐ。
すると、大好きな遠藤先生が立っていて……
大好きなその胸へ飛び込んだ!
なんて甘いことにはならず、
「てめぇ、ヤバイって何がヤバイんだ!!
絶対安静だろ?
何歩いてんだ!!!」
雷が落とされた。
「ご……ごめんなさい」
そう言いながらも震える私。
もしかして、遠藤先生は健太に会ってしまったのではないか。
漢マンとバレてしまったのではないか。
嫌な妄想が頭を巡る。