最恐ドクターの手懐けかた II
ー奈々sideー
戸崎みどりという人は、意外にも普通の女性だった。
ハイパーウザイ桃尻先生みたいなビッチでもなく、美人女性でもない。
こんな普通の戸崎みどりは、男優の夫に苦しめられているのだろうか。
想像するだけで胸が痛んだ。
「戸崎さん、検温と採血させていただきますね」
そう告げながらも、夫の話を持ち出そうかずっと考えていた。
そして、遠慮がちに聞く。
「あの……有名な男優さんの奥さんですよね」
その言葉に、
「男優?」
ぽかーんとした顔で戸崎さんは聞き返す。
もしかして……あの変態男優イチゴミルクマンは、職業を隠しているのか!?
男優のことは内緒なのか!?
だから慌ててすみませんと謝った。