最恐ドクターの手懐けかた II




ー奈々sideー






戸崎みどりという人は、意外にも普通の女性だった。

ハイパーウザイ桃尻先生みたいなビッチでもなく、美人女性でもない。

こんな普通の戸崎みどりは、男優の夫に苦しめられているのだろうか。

想像するだけで胸が痛んだ。






「戸崎さん、検温と採血させていただきますね」




そう告げながらも、夫の話を持ち出そうかずっと考えていた。

そして、遠慮がちに聞く。





「あの……有名な男優さんの奥さんですよね」



その言葉に、



「男優?」



ぽかーんとした顔で戸崎さんは聞き返す。




もしかして……あの変態男優イチゴミルクマンは、職業を隠しているのか!?

男優のことは内緒なのか!?

だから慌ててすみませんと謝った。



< 30 / 406 >

この作品をシェア

pagetop